[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」




アポロンの物語A
月桂樹の由来

ウォーターハウス『アポロとダフネ』
 ダフネはテッサリアの河神ペネイオスの娘。
 女神アルテミスに随行するニンフの一人だった。
 清純な女神を敬愛し、常日頃から父には、
「私はアルテミス様のように、一生独身でいたい」
 と言っていた。
「それはいいけど、男どもがそれをほっとくのかい?」
 父は心配して言う。
 ダフネは自分が、 美女であることの自覚が全く無かった。

 ある日、アポロンはエロスが弓矢で遊んでいるのを見かけた(ちゃんと前の文章とはつながっているのでご心配なく)。
 このエロスを からかって遊んだ。
「子供が弓矢で遊んでは危ないよ」
 念のために言うと、エロスは子供の姿をしていても、ギリシャ神話では誰よりも早く生まれている。
 アポロンよりかなり年上なのである。
 エロスはからかわれたのに腹をたてた。


ティエポロ『ダフネを追跡するアポロ』
 エロスは黙って二本の矢を箙から出して、つがえた。
 一本は金の矢で、もう一本は鉛の矢。
 エロスは金の矢をアポロンめがけて撃ち、鉛の矢をダフネに撃った。
 金の矢は恋心を抱く矢。
 鉛の矢は恋を拒む矢。
 二本の矢が胸に刺さった瞬間、二人は出会った。
 アポロンは激しくダフネを恋い慕い、ダフネはアポロンを避けるようになった。
 ストーカーと言う言葉が古代ギリシャにあったかどうか、アポロンは逃げ回るダフネをそうとうにしつこく追い掛け回した。
 足の速いアポロンから逃げ回り、ダフネは父ペネイオスのいる河に来た。
「お父様! 助けて下さい!」
 父は娘を助けた。
 ダフネは足から硬い樹木に覆われ、腕も髪も月桂樹の木に変身した。
 アポロンが、その木に駆けつけたときダフネの最後の心臓の鼓動が聞こえていた。
「ああ、ダフネ!」

 アポロンは狂気のように叫んだ。
「お前は永遠に私の妻になれないじゃいか。でもお前への愛の記念に私はお前の葉で冠を作ろう」
 美術作品に見るアポロンはたいてい月桂樹の冠を被っている、それにはこんな物語が背景にあった。

 

続く