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アルテミスの物語B
ギリシャのでば亀アクタイオン

 カヴァリエーレ・ダルピーノ工房『ディアナとアクタイオン』
  狩が好きな若者アクタイオンはカドモス王の孫に当たる。
 今日も彼は猟犬と友人を連れてキタイロンの山奥に鹿狩りに出かけていた。
 一方、アルテミスは同じ森で狩を追えて天然の洞窟の中で、ニンフたちと沐浴をしていた。
 こんこんと湧き出る泉。
 ここでアルテミスは美しいニンフに着物や弓矢を預けて、髪をすいてもらったり清水を浴びたり。
 そんな女同士で幸せなひと時をすごしていた。
 アクタイオンはそこに女神とニンフがいるとは考えもしなかったのだろう。
 木立を分け入って入っていった場所に、美しい女たちが裸身を清水につからせていた。
 彼女たちは悲鳴をあげながらも、女神アルテミスの裸を隠そうとした。
 しかしアルテミスはニンフたちより背が高かったため、アクタイオンとばっちり目が合ってしまった。
 アルテミスは羞恥と怒りに頬を赤く染め、そして怒鳴った。
「どこへでも行って、アルテミスの裸身を見たと言いふらすが良い。それが出来るのならね」
 アルテミスがアクタイオンに水をかけると、その部分から鹿の角が生えてきた。


 

 
 


  アクタイオンの耳はとがって毛が生え、衣はまだら模様の毛皮になった。
 手足に蹄、そしてその心は臆病な小牡鹿の心臓になった。
 ひとたまりも無く、アクタイオンがその場を逃げ出すと、今度は今まで彼が連れていた50匹の猟犬に見つかった。

  よく訓練された猟犬たちは、鹿を見つけた途端襲いかかった。
  それが自分たちの主人が変わり果てた姿だとは夢にも思わなかったのだろう。
  アクタイオンは犬たちに、呼びかけたがもはや鹿の声しか出なかったのでその叫びは当然ながら通じなかった。
 とうとうアクタイオンは犬たちにむごたらしくかみ殺されてしまった。
アクタイオンに水をかけている女性がアルテミス。右の男性がアクタイオン。頭には既に鹿の角が生えているが、本人はまだその事に気がついていない)。

続 く

 


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