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エロスの物語

 

 カラバッジョ「キューピッド」

 背中に羽があり、弓矢を持った少年の姿で親しまれるエロスはその名の通り「愛欲の神」である。英語では「キューピッド」という(なんとなくイメージできると思う)。 彼はカオス(混沌)から生まれて、様々な自然の生殖を促したとも言われるが、アフロディテの息子であるとも言われている。絵画の世界では大抵アフロディテと一緒に居ることが多い。
  エロスは金の矢と鉛の矢を持つ。
 金の矢を射られた人は、その時見た人に恋心を抱く。
 反対に銀の矢を射られると、その時見た人を憎むようになる。
 エロスは大変悪戯好きな神でもあるので、恋愛に関する悲喜劇がギリシャ神話にも多数ある。
 ミュラが父親に恋するようになったのもエロスのせいだ、と言える。

 

 

 

 テッツイアーノ「 Cupid with the Wheel of Fortune」.

 エロスは誕生して長いこと成長しなかった。
 いつまでも子供のままだ。
 母であるアフロディテは心配した。
「弟が出来ればボクは成長するよ」
 エロスは言う。
 その言葉の真意は分からないながらも、後にアフロディテにはエロス以外の子供が何人か出来た。
 そのうちの一人が「アンテロス」(相思相愛)である。
 誰かが誰かを好きになると、そこに愛(エロス)は誕生する。
 しかしながら、好きになった相手からも好きになってもらわないと、愛は育たない。
 愛を与えっぱなしのエロスがいつまでも子供だったのはそういう訳だ。

続く

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