ヘラの物語B
ヘラの悲しい贈り物


「アレゴリー」三部作の一つ。
ここにあるように6月はヘラの月。
2002年の1/2〜2/24まで渋谷のbunkamuraにて展示されています

   クリムト『6月のアレゴリー』部分
 あるヘラ神殿の巫女の物語。
 彼女には二人の息子がいた。
 クレオビスとビトンである。
 ある日、巫女が儀式に使う白牛が予定の時刻が来ても牧場から到着しなかった事があった。
 この白牛は戦車を運ぶためにどうしても必要だったのだ。
 そこで登場したのは巫女の二人の息子。
 兄弟は、母のために牛の代わりとなって重い戦車を運んだ。
 その距離、およそ8km。
 母は二人の息子たちの優しさを大変喜んで、ヘラ女神に祈った。
「親孝行な二人のために、この世で最高の贈り物を下さい!」
 ヘラはこの願いを聞き入れ、叶えてあげた。
 
 二人の兄弟は祭儀が済むと疲れ果てて、満足して神殿で死んだように眠りこけた。
 そしてそのまま寝たように死んでいった。

 若いうちに眠りながら死ぬことが最高の贈り物だとヘラは判断したのである。
 似た物語がアポロンにもある。
 
「神々に愛された者は若いうちに死ぬ」という事だろうか?
 
 


番外編『ケユクスとアルキュオネ』に続く




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