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ティタノマキア
ゼウスの物語A
ルーベンス『我が子を食らうサテュルヌス』

 話は前後するが、太古、世界はカオス(混沌)だった。
カオスからガイア(大地)が生まれ、ガイアからウラノス(天空)が生まれた。
 彼らは親子で交わる(げぇ)。
 その結果、生まれたのが「ティタン12神」だ。
この中にゼウスの両親である時の神サテュルヌスと大地母神レアがいる。
ガイアとウラノスはさらに、キュクロプス(一つ目巨人)とヘカトンケイル
(五十頭百腕)を3人ずつ生んだ。
この醜い子供達の誕生にウラノスは怒って事もあろうに母なるガイアの奥深く
胎内に戻すという暴挙に出た。
そのあまりの痛みのためか、子供達の身を思うあまりか、ガイアは末っ子の
クロノスに大鎌を与えて、閉じ込められた子供達の仇を討つよう、そそのかす。
クロノスは夜になって、ガイアに会いにきたウラノスの男根を鎌で断ち切り
それを海に捨てた。
 そこから復讐の女神たち(3人)と愛と美の女神アフロディテが産まれた。
 ウラノスはこの時、予言した。
「おまえも子供に裏切られるぞ」
 これを聞いたクロノス。
 この後、姉のレアと結ばれたが、二人の間に出来た子供たちを片っ端から食
べていった。絵画提供=ベルさん


サテュルヌス=クロノスのローマ名
プッサン『ユピテルの養育』

 6人目の子供ゼウスだけが匿われて、クレタ島でのびのびと育てられた。
 クレタ島は島なので、クロノスに見つかりにくい。
 それでも赤子ゼウスが泣き出すと、その声は凄まじく天空にこだまするの でニンフたちが銅鑼などを鳴らして誤魔化したという。
 成人したゼウスは、母レアと知恵の女神メティスと共謀して、クロノスに 食べられた兄姉達の仇を打とうとする。
 クロノスに嘔吐剤を混ぜた神酒(ネクタル)を飲ますことに成功し、 クロノスは先ず、ゼウスの代わりに飲み込んだ石を吐き出し、それからポセ イドンハデスヘラデメテル、ヘスティアと飲み込んだ時と逆の順序で
吐き出した。

 もちろん彼らは父クロノスに対する恨みもあった。
 ここからクロノス率いるテイタン神族対ゼウス率いるオリンポス神族の10年に渡る戦争が勃発する。
 戦いは双方互角で、全く埒があかない。
 とうとうゼウスは祖母であるガイアに相談する。
 ガイアは自らの胎内に押し込められたキュクロプスとヘカトンケイルを助ければ彼らが味方するという。
 地下に居たヘカトンケイルとキュクロプス達を助けると、彼らは喜んで ゼウス達に味方した。

ブロンズィーノ「ネプチューンに扮したアンドレドリア」

キュクロプス達はゼウスにどんな武器より強力な雷てい、
 ポセイドンには岩をも突き通す三叉の矛、ハデスには姿を隠す「隠れ帽子」を 差し出した。
 更にヘカトンケイル達は一人で50個もの岩を敵に投げる事が出来る。
 強力な武器と味方を得たゼウスは、長い戦争に終止符を打った。
 ここでクロノスの時代は終わり、ゼウスの時代が始まった。
 ゼウスは世界を3等分して兄弟で治めようとする。
 ゼウスは天界を、兄のポセイドン(英語名ネプチューン)は海を、長兄ハデスは冥界を治めることになった。

 とここまでなら、ゼウスは神話のヒーローなのだが、この後彼は多数の女神、ニンフ、人間の女性と浮名を流すことになる( 単なるスケベ親父である)。
 ゼウスと不特定多数の女性からはたくさんの神,女神、英雄が生まれることになる。
 まさにゼウスが全能の父と言われる所以である。

続く

    

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