ゼウスの物語H
美少年ガニュメデスと青春の女神ヘベ


この絵は神話画というより、「肖像画」。対になる作品に「ヘラクレスに扮したショーヌ夫人」がある。美術作品のヘベはたいてい、酒の瓶と杯を持っている。酔いつぶれた様子を「へべれけ」と言うのはギリシャ神話のヘベからきているらしいが、彼女自身は酔っ払いでもなんでもない。横にいるのはユピテル(ゼウス)の鷲。

ナティエ『ヘベに扮したショーヌ夫人』
 トロイアにガニュメデスと言う王子がいた。
 一説では彼は金色に輝く美少年だったらしい。
 そんなガニュメデスに恋したのが全能神ゼウス。
 どうやら美女だけではなく美少年も好きらしい。
 ゼウスは鷲に姿を変えると、早速ガニュメデスを誘拐し、自分の杯にネクタルを注ぐ役目を与えた。
 ネクタルとは神々の酒。
 これを飲むと不老不死になると言われている。
 本来、ゼウスの杯にネクタルを注ぐのはヘラの娘「青春の女神ヘベ」の役目だった。
 この仕事は大変名誉あるもので、ヘベは給仕のみではなく、管理の方もしていた。
 同性愛に走るのみならず、娘の仕事を奪うなんてと、怒ったのはヘラ

 早速、ガニュメデスを殺そうとする。
 それを知ったゼウスは青くなった。
 ヘラはすぐ怒る。
 そして怒り出すと何かをしないと気が済まない。
 ヘラからガニュメデスを守るため、ゼウスは彼を空に上げて星にした。
 こうして水がめを持った少年の姿が夜空に輝く事になった。
 十二星座中の「みずがめ座」である。



コレッジョ『ガニュメデス』
ここにある「イオ」とは対になる絵。まるで掛け軸のように縦長。
犬が描かれているのは、ガニュメデスが羊飼いをしていたという設定もあるため。
レンブラント『ガニュメデスの誘拐』
 
これが「金色に輝く美少年」ですか? と思わずツッコミたくなる絵。
 ガニュメデス、恐怖で泣き叫んでおしっこしています。
 レンブラントと言う画家は生後間もない赤ちゃんを亡くしているそうです。


続く

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